思わずうなずく
お金のはなし

第6回

2023年夏のボーナス動向・使い道について

多くの働く方にとって楽しみな夏のボーナスの時期になりました。ボーナスで何を買おうかと、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
さて、今年のボーナスですが例年と比べて、支給額が多いのか少ないのか気になりますよね。今回は、夏のボーナスの動向や使い道等に関して解説したいと思います。

step1

2023年夏のボーナスは増えている?

今年の夏のボーナスはどれくらいになりそうでしょうか。昨年より増加傾向なのか、興味がありますよね。
一般財団法人 労務行政研究所「東証プライム上場企業の2023年夏季賞与・一時金(ボーナス)妥結水準調査」によると、東証プライム上場企業の夏のボーナスは全産業の平均で79万4,008円とのこと。2022年の平均値が78万2,652円だったので、対前年比で+1.5%となります。

なお、全産業の平均値ですので、業種ごとにもブレがあります。東証プライム上場企業といういわゆる「超大手企業」であっても、業界間で57万4,289円~95万5,490円と大きな差があるようです。
また年齢とボーナスの額は相関関係があるのが一般的です。上の回答者の平均年齢が39.4歳ですので、ご自身の金額を予想する際には参考にしてみてください。
いずれにせよ、今年の夏も「ボーナスに期待できる!」と胸を躍らす方も少なくないかもしれません。

step2

賞与の使い道は?

賞与の使い道は決まっているでしょうか。毎年さまざまな企業や団体が賞与の使い道に関してのアンケートを取っています。他の方は賞与をどのように使っているのか気になりますよね。
実は一番人気の使い道は、「貯蓄/預金」です。大きな買い物よりもしっかり貯蓄したいという方が多いということです。

せっかく、まとまった額のお金が入ってくるのですから、旅行や食事等に回したいという方もいるかと思います。「ボーナスの全額を貯蓄に回す必要があるか?」というと、そんなことはありませんのでご安心ください。
旅行代や家電の買い替え等は毎月のお給料の中から支出するのもなかなか大変ですが、ボーナスの一部を回すというのもよい使い方だと思います。普段我慢している物事にお金を回すことで、リフレッシュできます。結果、日々の仕事のモチベーションが高まるのであれば、ある種の自分への投資になるともいえます。
もちろん実際の投資を始めてみるというのもおすすめです。実際ボーナスをきっかけに投資デビューという方も少なくありません。
最近では、NISA等の少額で始められる非課税制度もありますので、有効活用してみてもよいでしょう(第5回NISA・iDeCoを利用した資産運用について)。
とはいえ、やはり「ボーナスをしっかり貯蓄したい」という方もいらっしゃるかと思います。
ボーナスはどの程度を貯蓄に回せばよいのでしょうか。

step3

貯蓄に回すべき割合とは?

一般的に、我々ファイナンシャルプランナーは収入の20%を貯蓄に回すことを推奨しています。
では、単純にボーナスの20%を貯蓄に回せばよいかというと、注意が必要です。というのは、収入の20%を貯蓄に回すというのは、正しくいうと年収の20%ということです。
毎月の収支がトントンという方や、ボーナスで補填しないと赤字という方もいらっしゃるかと思います。こうした方は、ボーナスの20%を貯蓄に回すだけでは、年収の20%貯蓄には足りません。ボーナスありきで日々の生活が成り立っている場合は、より多くの割合を貯蓄に回す必要があるということです。
ボーナスを日々の生活費の補填に回している方は、せっかくボーナスが入っても「生活費補填+貯蓄」でほとんど残らず、大きな買い物はできないというケースも珍しくありません。やはり、日々の収支を適正に管理して、毎月の給与から計画的に貯蓄することがとても重要になります。
大きな金額が入ってくることで、つい気が大きくなりがちなボーナスの時期だからこそ、日々の家計を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

監修
平原直樹
ブロードマインド株式会社
マーケティング部ゼネラルマネージャー
ファイナンシャルプランナー

東京都出身。 立教大学社会学部卒業後、東証一部上場のIT企業に勤める傍ら2006年FP資格を取得。 「資産形成」「退職金運用相談」を専門とし、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。その他相談業務やコラムの執筆等幅広く活動。趣味は、海外(貧乏)一人旅。海外40を超える国と地域を訪問。現地のお酒を飲みながらサッカーを見るのが至福の時。旅行中にも現地の銀行金利や不動産価格を欠かさずチェック。